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日々の思い出記録帳
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書かなければいけない事だと思って書いただけです。
何も楽しい事はないです。

私の愛犬が今日死にました。

17年前にお留守番をする6歳だった私の為に、両親が家に連れてきた子。
小さな小さな箱に入ってきて、慣れない環境でぷるぷる震えてた。

当時犬が苦手だった私は、そんな小さなガビィにも怯えて、
追っ掛けられて吠えられて、挙げ句には部屋中に用を足されて、
パニックになって泣き喚いたら、さらに吠えられた。

その時はまだ名前が無くて、
ネームセンスの無い家族達で”花子”や”幸子”だのダサイ名前を考えてた。
で、母が大好きだったテニス選手の愛称の”ガビィ”と命名された。
柴犬で洋名……案外しっくり馴染んだ。

ガビィは兎に角、そこら辺に用を足していた。
扉を開けた瞬間にウンコを踏む、というトラップには家族全員はまったはずだ。
何故、あのピンポイントの場所をチョイスするのか。

後、階段の端よく噛んでた。
小さい時は一段目しかガジガジしなかったのに、
ちょっと大きくなったら、階段を上って上の段までガジガジしだした。
その結果が放し飼い→監獄(ゲージ)入り。
ちょっと懲りたのか、噛み癖は無くなった。

ガビィが家に来て最初に爆笑したのは、兄がぽろっと落とした唐揚げを
床に接触する前に口でキャッチして喰らった事。
遠い距離から、凄まじい瞬発力で肉求めて飛び込んできた。
多分、ガビィの生涯の中で一番の速さだったと思われる。

ガビィは少し恐がりでもあった。
道路にある水路に被せてる網目状になってる鉄板のを越えるのが
どうも苦手らしく(足がちょうどスッポリと収まりそうだから)、
わざとソコを歩かそうとした、意地悪な昔の自分を思い出す。

ガビィは逃亡癖もあった。
一番酷かったのは、今の家に引っ越してくる当日。
「ガビィ新しい家に行くよ」と言った瞬間、猛ダッシュ。
必死で兄と追いかけ、途中でウンコをし、
「お兄ちゃん!!コレの処理、あぁガビィぃぃぃ!!」と慌てふためいて
泣きそうになっていたら、「何?」という顔で玄関に戻っていた。
……私はいつもガビィに泣かされているな。

何処かに出掛ける時はいつも連れて行っていた。
山登りにも、海に釣りをしに行くのも、遠い親戚の所に遊びに行くのも。
一番思い出深いのは、奈良。
何を思ったのか、奈良公園の鹿達がガビィ目掛けて走って来た。
闘争意識のまったくないガビィと私は逃げ回るしかない。
私達が何をしたっていうんだ、鹿達よ。煎餅でも食べてなさい。



可愛いガビィ、うん可愛いんだよ。
どんなに歳をとって、もう一緒に出掛ける事が無くなっても、
足に腫瘍みたいな大きな瘤ができても、やっぱり可愛いんだよ。
体だって肋や腰骨が浮き出るくらい痩せ細って、
足もふらふらになっちゃて、でもそれでも一生懸命歩いてくれて。
自分で出しちゃった物をまた食べちゃっても可愛いんだよ、愛しいんだ。

なんで死んじゃったかな?

一昨日まで普通にご飯食べてたのに、昨日いきなり食べなくなって、
父に「そろそろ覚悟した方が…」って言われて、泣きそうになって
ガビィ寝てたけどご飯食べなって、手にご飯乗せたら差し出したら
食べてくれたじゃん。
嬉しくって泣きそうで、何度も何度も差し出して食べてくれて
全部は食べてくれなかったけど、それでも「明日も生きてくれる」って思った。

正直、私は良い飼い主じゃなかった。
面倒臭くって、ガビィにご飯をあげなかった事もあったし、
散歩だってウンコを拾うのが嫌で、オシッコだけ済ませたらすぐに帰る事もあった。
非道い飼い主だ。

家に来て幸せやったんかな…

昨日、やっとご飯を食べてくれた後に、小屋で用を足しちゃったから
処理をしていたら、私の足に擦り寄って来るの。
泣いた。なんだかお別れを言われているみたいだった。
「寒いからもう中に入り」って親に言われて、入ったらガビィがずっと鳴いてた。
何を言ってたんかな……もう分からんけど…


今日、仕事が終わって、パソコン教室に行って、
母からの「電話下さい」ってメール。
第一声が

「ガビィ死んだ」

覚悟はしてた。なんとなく分かってた。涙は出なかった。
案外、こういう時は出ないものなのか…と冷静に思っていた。
親との電話が終わって、犬大好きな友達に報告した。
ずっとガビィを心配してくれてたのもあったから。
話している内に、「家に帰りたくない」と思った。
友達にそう言ったら「ちゃんと帰って、顔見てやりな」と言われた。
お互いに「ありがとう」と言って電話を切った。

家に帰る間、ずっと心がふわふわしてた。
やっと家が見えた瞬間、緊張した。
父も母も家にいる。ガビィが逃げ出さないように閉めていたガレージの
シャッターが開けっ放しになっていた。

玄関の扉が開いた。

線香の匂い

母の顔

父の顔







籠に収まって小さくなったガビィ


もう涙しか出なかった。
一気に出た。
大泣きするでもなく、静かに泣いた。
呆気無いと思った。
私は初めて、この歳になって自覚して死に直面した。

悲しい 悔しい お疲れ様 ありがとう 寂しい ごめんね

色んな感情が綯い交ぜになって、処理しきれなくて涙を出すしかなくて。
母にこの花を手向けてあげてって、花を一輪手渡されたけど
そんな事したくなくて、でもガビィを飾っている花はとても綺麗だな、
とボンヤリしながら見ていて、でもいつもは呼吸で上下するガビィの体が
ピクリとも動いていなくて、また泣けてきた。

ガビィと出会ったペットショップのお姉さんがわざわざ家にやって来てくれて
私達以外にもガビィの死を悲しんでくれる人がいる事がとても嬉しくまた泣けた。
泣き虫な飼い主でごめんね。


明日の10時にガビィは煙になって天へ昇ります。
もうガビィに触れない。なんでもっと撫でてやらなかったんだろう。
もう固くなったガビィの体をそっと撫でたら、

「くぅ…」

って、ガビィの寝息が聞こえた。
馬鹿だね、と笑ってしまった。



2011年2月1日(火) 18:15 ガビィ(享年16歳)

おやすみ。
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